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フッ素ゴムの配合剤

ここではフッ素ゴムにおける代表的な配合剤をご紹介します。

代表的な配合剤の紹介

カーボン

各種あるカーボンの中でも粒子径が201~500nmと大きいMT(Medium Thermal)カーボンが広く使用されています。
このカーボンは他のカーボンに比べ補強効果や導電効果が乏しく汎用ゴムで使用される事はまずありませんが、ことフッ素ゴムにおいてはその純度の高さや配合量に対して硬度上昇率が緩やかな事など活用メリットが多く、フッ素ゴムの特性を損なわない添加材として標準的に使用されています。

酸化マグネシウム

昔から胃腸薬として使用されている材料ですがこれはアルカリ性である酸化マグネシウムが胃酸を中和し胃腸の過度な働きを抑制する効能がある為です。
フッ素ゴムも同様に加硫反応時にフッ酸が発生しますがこの酸化マグネシウムが酸を受酸する事で効率的な加硫を促す事が出来ます。
ポリオール加硫タイプの標準的な配合では酸化マグネシウムを適量配合すると一次加硫時間は10分ほどで完了しますが、酸化マグネシウムを配合しないと加硫時間が極端に遅くなり、まともに加硫させる事が困難になります。

水酸化カルシウム

カルシウムの水酸化物で消石灰とも呼ばれています。酸化カルシウム(生石灰)に水を加える事で生成されます。酸性化した河川や土壌の中和剤や試薬・農業・食品や化粧品のpH調整剤として広く使用されています。フッ素ゴムにおいては添加する事で含まれている水分がフッ素ゴムと反応し加硫反応を促進する効果を発揮します。
「じゃあ水だけ入れればいいのでは?」、と疑問に思うかもしれませんが化学反応的にはそれでも良いのでしょうがゴム練りにおいては水を直接ゴムに添加するというのは意外に難しく他配合剤の凝集の誘発や水分残りによる成型時のボイド発生等リスクやデメリットが色々出てきてしまいます。
やはり昔から使用されている材料には使用され続けるだけの信頼と実績があるのです。

ウォラストナイト

珪酸塩鉱物の英名で珪灰石とも呼ばれています、化学組成はCaSiO3。
フッ素ゴムにおいてはフッ素の特性を阻害しない無機充填剤として活用されています。
ただしパーオキサイド加硫タイプで使用するには注意が必要です。パーオキサイドタイプに添加すると加硫阻害を起こします。

焼成クレー

ウォラストナイトと同様に珪酸塩鉱物の一種で化学組成はAl4Si4O10(OH)8。
一般にはカオリン・カオリナイト・チャイナクレーとも呼ばれており、これは中国の有名なクレーの産地である高嶺(Kaoling)に由来しています。
フッ素ゴムにおいては白色の隠蔽力(傷や変色等の表面状態を視覚的に覆い隠す度合い)や耐候性に優れる特性を生かした用途で使用されています。

酸化チタン

化学組成 TiO2でチタンの酸化物です。白色で高い隠蔽力があり白色塗料や絵具、釉薬や化合繊用途などの顔料として使われています。
フッ素ゴムでも同様に白色配合によく使用されますが多量に添加してもあまり物性に変化が出ない特性から充填剤や増量剤として使用される一面もあります。
酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型がありルチル型は最安定の結晶構造を取る為フッ素ゴムではこちらのタイプを使用するケースが多いです。

硫酸バリウム

化学組成BaSO4で水・酸・アルカリにほとんど溶けず化学的に非常に安定な性質を持っています。
一般的にはレントゲンの造影剤として使用されているのが有名ですね。
こちらもフッ素ゴムでは無機充填剤として活用されています。

カルナバワックス

ブラジルロウヤシの葉から得られる蝋で樹脂やゴムとの相溶性に優れる天然のエステルワックスです。
フッ素ゴムの特性を阻害しない事は勿論のこと、離型性・分散性にも優れる事が利点です。

TAIC/有機過酸化物

パーオキサイド加硫タイプにおいて必需品となる架橋剤です。
フッ素ゴムにおいてはその分子量の多さから有機過酸化物だけでは分子量に対しクロスリンク不足となりこれをTAICで補っています。
そういった意味でパーオキサイド加硫にはどちらの材料も不可欠な存在と言えます。